事例集/技術解説 - DX

デジタルサイネージ利用で通達を迅速化/AIカメラ連携で施設利用状況を可視化 【株式会社 大塚商会】

デジタルサイネージの社内利用で、告知や通達をスピーディーに周知。

大塚商会の総務課は、本社ビルの各フロアのエレベーターホールにデジタルサイネージを導入

背景

大塚商会本社ビルには約1,800名が就労しております。社員の連絡事項や福利厚生などに関する情報をグループウェアの掲示板にアップするとともに、各階のオフィススペースや休憩コーナーに紙の掲示物として張り出し、注意喚起していました。しかし、紙の掲示物はオフィスの美観を損ね、張り替えには手間がかかります。また、様々な部門や担当者が作成する掲示物を管理することは負担となっており、以前から改善策が検討されていました。

経緯

管理に手間の掛かる紙の掲示物よりも効果的な、プッシュ型の通知を行うには、デジタルサイネージの活用が最適だと考えました。また、大塚商会にとって有力な商材を社内利用することで、お客様にご提案できる新たな活用法を見いだせる可能性もあります。

こうして本社ビルには、多くの社員の目に留まるように、各階のエレベーターホールに2台ずつ、デジタルサイネージを導入しました。

運用開始後は、それまで紙で掲示していた多様な情報を総務課がコンテンツにして、デジタルサイネージで配信しています。デジタルサイネージは、グループウェアの掲示板に掲載される、より詳しい情報にアクセスしてもらうためのフックとして位置付けていることから、短時間で印象に残るようなコンテンツ作りを心掛けています。

AIカメラと連携させた施設情報表示により、社員の利便性アップに貢献

挑戦したこと

大塚商会では、AIカメラを活用したソリューションの提供にも力を入れていることから、社員食堂の混雑状況を表示する仕組みも構築しました。

天井に設置した複数のカメラからの映像をAI技術にて画像処理し、リアルタイムに混雑状況を「〇」「△」「×」の3段階でWEB表示するようにしました。そのWebサイトをデジタルサイネージの方へ表示させる仕組みとなっています。この試みも社員から好評で、デジタルサイネージを他のシステムと連携させることで、新たなソリューションを生み出せることが実証されました。

当社での活用事例をお客様へ紹介、DXへの取り組みの第一歩を踏み出す

効果と展望

デジタルサイネージ導入により、自社で販売する製品の紹介動画や社員食堂、カフェの混雑状況の表示など、これまでの紙の掲示物ではできないインパクトのある情報提供が可能になりました。それにより、総務課には、エレベーターの待ち時間が気にならなくなったという声が寄せられ、多くの社員が時間を有効活用できるようになったと感じています。また、コロナ禍の密回避としても有効な対策となりました。今後は、本社ビルだけでなく、全事業所へ共通のコンテンツを配信するなど情報発信の幅を広げ、会社全体としてデジタルデータの社内共有を活性化させていきたいと考えています。

更に、AIカメラと連携する仕組みのように、他のIT機器と組み合わせることで、新たなソリューションをお客様に提供できる可能性があると感じています。まずは自社内でさまざまな活用を試みて、その成果を積極的にフィードバックしていきたいと思います。DXというとビジネスモデルの変革や企業文化の改善などと大きく構えてしまうお客様もいらっしゃいますが、当社のお取引先の大半である中小企業のお客様は、大企業と違って活用できる社内リソースが限られます。中小企業のお客様には、DXに取り組まなければと大きく構えるのではなく、本事例のようにちょっとしたデジタル化へ踏み出すことが、DXへの取組みの第一歩であることをお伝えし、お客様の抱える課題の解決をお手伝いして行きたいと考えています。