事例集/技術解説 - 働き方改革

柔軟な就業形態のもと事業推進に貢献しながら営業としての早期自立を促進 【トレンドマイクロ株式会社】

コロナ禍において柔軟な就業形態のもと新卒メンバーを育成、事業推進に貢献しながら営業としての早期自立を促進

背景・きっかけ

当社営業組織では、定期的に新卒採用されたメンバーの配属を受け入れている。この営業組織をより強化するために、配属が予定されている新卒メンバーの早期戦力化を実現する必要があり、以下の活動が必要となっていた。

  • 多岐に渡る営業職で活躍できる営業としての土台作り
  • 人的ネットワーク支援
  • 営業職配属後の受け入れ先と新卒メンバーに対する育成支援

取り組み(概要)

営業志望の新卒メンバー(第2新卒を含む)を育成する専任部署を設け、以下の育成プログラムを実施した。

  • 新卒メンバーは入社後3ヶ月間の人事研修を経て、育成専任部署であるセールスイネーブルメントグループ(以下、SEG)へ配属
  • SEGで1年間にわたり営業に必要な知識をインプットしながら実践的な業務経験を積み営業としての土台を構築
  • SEGにおける研修・業務はテレワークと出社のハイブリッド型で実施

当プログラムでは1年後のゴールを「営業活動を自立して回すこと」と定め、実践経験、特に現有能力を超えるようなストレッチな経験が必要という考えから、出来る限り早く現場で営業活動を行い経験を積めるよう設計されている。

初めの2ヶ月間では営業同行・企画提案などの経験を積み、続く7ヶ月間は法人営業としてインサイドセールス、フィールドセールス業務に従事する。案件担当者として責任を持って営業活動に取り組み、案件創出から受注までを一気通貫で行うことで営業プロセスを理解する。また営業活動の実践と同時並行で研修も定期開催し、体系的な理解を深めていく。

さらに新卒メンバーの人的ネットワーク形成という観点から、コロナ禍の状況を踏まえつつテレワークと出社をバランスよく実施するハイブリッド側の就業形態をとり、新卒メンバーの同期・先輩社員との積極的なコミュニケーションを促している。

FY21新卒_育成プログラム 体系的な営業基礎のインプットと並行して、主体的で実践的な業務経験を積む 2021年7月SEG配属から2022年7月配属までのチャート画像

取り組み(具体例)

人的ネットワーク形成促進

コロナ禍における緊急事態宣言発出に伴い従業員のオフィスへの出社が制限され、2020年4月入社の新卒メンバーはテレワークで人事研修を実施した。しかしテレワークのみの就業形態では、新卒メンバーの人的ネットワーク形成の観点で課題が見られた。そのため、SEGではコロナ禍の状況を常に注視しつつ週1~2回出社するというハイブリッド型の就業形態を選択、その上で以下のような施策を実施した。

  • 先輩社員への営業同行
  • 部署をまたいだランチ会開催
  • 新卒メンバーによる社内ニュースレターの定期発信
  • 新卒メンバーと上長の週次1on1実施
  • 同期内での毎日朝・昼・夕の情報共有/フィードバック
配属先での育成支援

SEGにおける最後の3ヶ月間は仮配属期間であり、今後配属が予定されている部署で業務を開始する。この期間は新卒メンバーが受け入れ先部署へソフトランディングするための準備期間という位置づけであり、SEGが新卒メンバーと受け入れ先部署の双方に対する支援を実施する。具体的には以下のような支援を実施した。

  • 新卒メンバーの育成計画書策定
  • 指導係となるトレーナー向け研修実施
  • トレーナー同士の情報共有
  • 関係者との定期的な面談実施
  • 新卒メンバー同士での業務報告会実施

建物内、クッションに座る6人のメンバーの画像

効果

  • 新卒メンバーが営業向け育成専任部署に1年間配属し体系だった営業プロセスの理解を深めるとともに、営業案件創出から受注までを一気通貫して対応するという実務経験を多く積むことで、事業推進に貢献しながら営業職として独り立ちできるスキルを獲得し、早期戦力化するための土台作りができた
  • コロナ禍において対面でのコミュニケーションが制限される中で、様々なコミュニケーション促進施策を通じて新卒メンバーが自発的に行動できるようになり、主体的な工夫や取り組みを通じて強固な人的ネットワークを築くことができた
  • 配属先への育成支援により育成能力が向上し、新卒メンバーの配属先への早期適応が実現した